内圧コントロールで着目するのは、クランクケース内の排圧が追いつかない事です。高回転で回し続けると、クランクケースの膨張した空気が周辺の隙間に逃げようとする…良くないです。
単純に考えると、加圧の条件が厳しい時に適正な減圧ができていればOKなので、クランクケースに排出ガス(空気)が還元されない一方通行(1WAY)の構造でいいことになります。
コントロールバルブの構造
これが、内圧コントロールバルブと呼ばれ各社で市販されています。機構は各社いろいろあります(ネット検索してみてくださいね。)が、単純には下図のような構造が基本です。
では、お勧めのバルブは…という前に、内圧コントロールバルブにもデメリットがありますので説明しておきたいと思います。
1.エンジンブレーキが弱くなります。
低速走行では体感できないくらいですが、高回転域からスロットルオフした時にはピストン上下運動の抵抗が減るので、エンジンブレーキが弱くなります。減速は早めに!
2.オイルミストの付着・定期点検が必要になります。
純正では、クランクケースとエアクリーナーを繋いだゴムホースの間にバルブを設置しますので、オイルミストが中に溜まります。油脂固着防止のため、1年に1回は分解清掃を!
内圧コントロールバルブ
お勧めの内圧コントロールバルブは、テック2の「eco&power内圧バルブ」です。※画像のMMT製と同タイプ
そのメリットは、
・価格が安い(5,000円以下)
・効果が確認できている
・効果が無ければ返金もあり
・単純な構造で壊れにくい
・高回転域・低中回転域のセッティングが可能
・小型で設置スペースが小さい
と思うのですけど。
内圧コントロールバルブの調整
バルブ内には4枚のシムが入っています。このシムの枚数を変えることで、中低速・高速で機能するかが選択できます。
テック2さんに確認したところでは、レースでは4枚、一般道は走って調整とのことでした。ZRX1200で走った感じ3枚かな~。
取り付け 其の一
①ホームセンターなどで内径15㎜、外径22㎜のコイル入りホース150㎜を用意します。
(コイルが入っていないと、曲げることで潰れて中が真円に維持できないためです)
②同じくネジ付きホースバンドΦ15~25㎜くらいのを2個用意します。
③クランク側ブローバイホースは、ホースバンドを手前にずらして外します。(バンドも)
④ブローバイホースを90°回転させ、クランクケース側の口が自分に向くようにします。
⑤コイル入りホースの端をクランクケース排気孔にホースバンドで締め付け固定します。
(排気孔付近にボルトがあり、差し込み部が浅いので外れないように注意)
⑥コイル入りホース端部にホースバンドを通しておきます。
⑦コイル入りホースの反対端部にホースバンドでコントロールバルブを締め付けます。
⑧コイルホースを半円になるように曲げて、ブローバイホースにバンドで固定します
(コイルホースは結構反発するので、しっかり曲げる)
いざ走行してみると、エンジンブレーキがマイルドになる、バックトルクというのが緩和されているのが分かるかと。なにやらエンジン回転もスムーズに感じる?
取り付け 其の二
T-REVという内圧コントロールバルブの補修用パーツに、ZRX1200のブローバイ排気専用のものがあります。S字成型のゴム系ホースです。
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それを流用すると、非常にスッキリした感じに収まりました。しかも本家よりも「超」格安で同様の機能が手に入ります。
注意する点としては、専用品なのにホース内径がなぜかΦ12㎜なので、外径Φ15㎜のブローバイ排気孔に押し込むのにコツが要ります。シリコンスプレーをホース内面に塗布して入れると楽です。
スプロケットケースとエアクリーナー外カバーのみ外せば、奥まで手が入り装着作業はできますので。完了すると…こんな感じになります。
ちなみに、T-REVの本家仕様はこのようなセットです。基本の動作は違わない?けど、価格は大きく違います。でも、カッコイイ。