バイクの燃料計、よく聞くのは「あてにならないぞ」という話。“計”と付くからには「計るんだから、正確で当然」という要求、ごもっとも。
そうなんですけど…。バイクって左右に前後にと重心移動が激しい乗り物で、4輪とは比べ物にならないくらい不安定。そもそも自ら重心を不安定にさせないと曲がらない乗り物です。
だから、タンク内のガソリンも一定の位置に留まってくれない。正しく“計る”のは非常に厳しいかな~とも思うのです。特にガソリンが減ってきてタンク内に空洞が広がると、ガソリンが動けるスペースができるから、なおのこと…。
かといって、ガソリン満タンの時には燃料計は気にならない。気にせず走れるだけの燃料が入っているから。だけど、半分を過ぎた頃から気になってくる。どれくらい走れるガソリン残量なのか考える。
そのくらいのタイミングに、正確性が欲しいという要求が出るわけ。燃料計を最も信用したいところだからね~。
昔は、燃料計すら無いバイクなんてゴロゴロしてた。みんな、大体の目安で給油していた。コックにリザーブ「RES」が出来て画期的だったんじゃないだろうか?
今だって、燃料計が無く一定の残量をセンサーで感知して、警告(WARNING)ランプが点滅するだけのバイクはあるけど、ほとんどが燃料計で残量の目安が表示される…これってすごいことだったんじゃないのか?
それが当たり前になった。人間は欲深いんだなぁ~、もうそれでは満足できず、計測の正確性を求める…欲望は底を知らない。コワいです~。
まぁ、そうは言っても、現時点でバイクの燃料計で正確な残量判断は厳しい。燃料計とオドメーターとの合わせ技で、残量&走行可能距離の確認をオススメ。
燃料計とオドメーター距離を何度か比較して、だいたいの給油ポイントを掴んでおく。そうすれば、燃料計が正確性を欠くことに問題意識を感じなくなるはず。どれくらい走ると給油が必要か分かるんだから。
ウチのZRX1200R、ノーマルキャブで街乗り~ワインディング(ややスポーツ走行)といった走行を何日か繰り返し、リザーブ「RES」にコックを捻ることになる走行距離がどれくらいか確認したら…。
結果は≒270㎞程度。それ以上走行すると、ウチのZRX1200はスロットルを開けても「ボゴォ~ン」って唸り、エンジン回転が鈍く上がらなくなる。キャブへのガソリン不足がはっきりと分かる。
なので、ガソリンタンクは19L、RES手前の走行距離は270㎞、ここ何年かの平均燃費18㎞/Lとすると、最大走行可能推測距離は342㎞。そこからRESまでの走行距離270㎞なので、これを引くと72㎞。
72㎞を平均燃費18㎞/Lで割ると4L。つまり、RESにする時点では≒4Lのガソリンがタンクに残っているということ。これを一応の目安にして燃料計の指針位置を一度確認しておけば、燃料計は目安程度でもよくない?
これ、ZRX1200Rシリーズに乗ってる方には共通するような…。普段使いでのデータだし、そんなに個体差無いはず。
燃料計があまりにも狂ってる場合、フューエルセンサーの異常かもしれない。電気抵抗値で測定してるみたいだから、センサー部分に錆が発生している場合は、清掃と抵抗値を確認。
センサーのボックス内部が錆でガサガサになっていて、それを除去したら正常範囲で動作が復帰したことがあった。「デタラメだぁ~」と言う前に、ちょっこし確認してみてほしい。