
レプソルカラー
1997年式、24年前のバイク。今や絶版のキャブレター燃料供給装置。ABSやASCなんて電子デバイスも一切無し。
アナログなマシン。乗り手の技量がモロに性能に影響する。走行性能だけじゃなく、安全性能もしかり。最新SSに比べたら、ライダーには優しくない。
同排気量でのパワーはもちろん、燃費性能もエコ性能も最新バイクには敵わない。そしてエンジン出力もピーキーで扱いにくかったり…。
こんなこと言ってると、良いところが無いバイクに今頃わざわざ乗る必要がある?と思うよな~。ふつう。
だけど、乗る人は今もたくさん居るってのも確か。自分もその一人なわけですけど。
自分として、この時代のバイク(CBR900Rを含めて)が良いと思うところ…
まず、人が操る乗り物、“マンマシン”を感じられること。走る・曲がる・止まることに、ちゃんと基本操作を会得しないと思うように走れない。
そこに、“人がマシンを操る”という気持ち良さを感じる。“性能で乗らされてる”のじゃなく“その性能を乗る”ために挑戦する楽しみがある。
そして、整備やカスタムを“自らできる”範囲が多いこと。電子デバイスみたく、CPUマッピングや高額なユニット交換だけじゃなく、DIYの楽しみがある。
キャブレターチューンやマフラーチューンだって、その気になればユーザーでほとんど手が出せる。操る楽しみ、カスタムする楽しみが身近にある。
さらに、”個性あふれる車体”が多いこと。こぞって同じようなデザインや装備をまとう最新バイクには希薄な、各社のオリジナリティーを楽しめる。
“レギュラー&ハイオクガソリン併用”のエンジン。ハイオク限定で高性能な最新バイク、レギュラーガソリンは通常使えない。これはある意味、勝ってる。
特にガソリン高騰な今は、ロングランや給油回数重ねると、かなり財布の中身に大きな差が出る…。差額で細かいパーツ買える。
大きくはこんなところにハマって、CBR900RRを所有した理由の一つ。このあたりの年代製バイクを好んで乗る人は、同じ感覚じゃないかな?
簡単にまとめれば、「自分が操りたい。」「自分でいじりたい。」「個性が欲しい。」ってニーズを求める人が乗るんだと思う。
そんな指向、最近増えてると聞く。確かに、従来では考えられない程の値段が中古車市場では当然のごとくだ。
ちょっと前まで50万円クラスの中古バイクが、今や100万近くなんてのも”ふつう”になってきている。バイクも車も。
バイク屋に聞いた話では、電子デバイスが無く操作する楽しみがある90年代のバイクが人気で品薄と。最新型を少し乗って、旧車に代替するライダー多いと。
なんでも、“データで乗らされてる感”、”メカに手が出しづらい”、”パーツが高額”ということに満足が得られないライダーが老いも若きも増えていると。
そしてもう一つのCBR900RRの価値。軽快な一般ユーザーが公道で楽しめるレーサーレプリカの流れを継いだスーパースポーツ(通称SS)の始祖ということ。
ビッグスケール、ハイパワーも流れにあった大型バイクを、軽量コンパクトな車体(スケール)で、公道の走りを楽しむためのスポーツバイクに向けた。
当時の流れに逆らう大きなチャレンジ、それは今のSSバイクへと時代の流れを変えさせた大変な価値のある挑戦だった。
SSバイク全ての始祖だ。
これが、自分がCBR900RRを選んだ理由。今乗りたいと思う価値。